9回裏、オーロラビジョンには「リーグ制覇までカウントダウン」という文字が映し出される。その瞬間スタジアムのボルテージは最高潮に達し、ファンの声援は一段と大きくなる。もうすでに泣き出しているファンもいた。
2アウト、ラストバッターに、3戦目で逆転サヨナラ打を放った川崎を迎えると、マリンスタジアムにはなんともいえない緊張感が漂う。マウンド上の小林雅英投手の一球一球にファンはどよめき、祈るようにオーロラビジョンを見つめ続けた。 <続く・・・>
そして31年間待ち続けた悲願の瞬間が訪れた。
川崎の放った打球をレフト井上ががっちりつかむと同時に、ドドォーーー!!という地響きのような歓声が沸き起こり、マリンスタジアムは大きく揺れた。「優勝!優勝!」という叫び声とともに、紙ふぶき・ジェット風船が舞い、いたるところでファン同士が抱き合い、そして涙を流し、喜びを分かち合っていた。
震えるような興奮とはこのような瞬間をいうのだろう。雨と涙と勝利のビールでぐちゃぐちゃになりながらも、1万2千人が我を忘れて勝利に酔いしれていた。
そんな大興奮のマリンスタジアムに福岡ヤフードームから電話中継が入る。逆転タイムリーを放った里崎選手の「みんなありがとう!!」という声がスタジアムに響くと、再び大歓声。そして里崎選手の音頭でファン全員とともに「カンパーイ」と祝杯の大合唱が行われると、スタジアムには第二の歓喜の波が訪れた。これも今年のロッテらしく、例え福岡に行けなくとも、ファンと選手が一体感を味わうことが出来る、粋な計らいだった。
この5日間、パブリックビューイングに訪れたファンはおよそ5万9千人。一試合平均1万人のファンがマリンスタジアムに足を運んだ計算となる。中にはこの5日間、家に一度も帰ることなく、着替えをつめたトランクを抱えて通い続けたファンもいるほどだ。
そんなファンの期待に見事答え、最後の最後で劇的な逆転Vを見せてくれたロッテナイン。これ以上の優勝の瞬間はないだろう。
「もうなんていっていいか分かりません。本当にありがとう。ロッテ最高!」
マリンスタジアムにはその夜「WE LOVE MARINES」がいつまでも響き渡っていた。
文:柴田愛子
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